横浜FCと競馬を愛する男の日記

早くも年末、しかし競馬は続く

2010札幌記念・考(2)

 では、過去4回の覇者を考えてみよう。
 
 ①のタイプとして挙げられるのはアドマイヤムーンだ。彼はこの競走を勝利した後、天皇賞秋で2番人気に
推されながら「3着」に敗れる。この着順が象徴的だ。つまり、彼は「スーパーGⅡ戦を勝ってきたので、秋天
なんかが狙いじゃないです」と宣言していたのである。最終的に、彼がJRA競走で何を得たのか、を考えれば
その答えは理解できる。
 
 フサイチパンドラ万馬券覇者なので、その機能は2着型の持つものである。これは後述。
 
 ②のタイプがタスカータソルテヤマニンキングリー。彼らはこの札幌記念勝ちを最後に、JRA競走での
勝利が無い。まるで「劣化GⅠ」を花道としたかのように…特に象徴的なのが初代②型のタスカータソルテで、
彼は天皇賞秋で「最下位着順」を得ている…
 
 この競走を通常型で勝っている馬達のもうひとつの特徴が「GⅠ連対歴がないこと」。これひとつ取ってみても
GⅡ別定戦の毎日王冠京都大賞典との機能の違いがわかる。つまり、札幌記念を勝つべき馬は、最終目標の
ために特化した戦歴(Aムーンのような)を持つべき、ということなのだろう。今年、こういう馬は出走している?か
見極めるべきだろう。
 
 2着型の馬は、また2タイプに分けていいと推測している。
フサイチパンドラマツリダゴッホブエナビスタ型…格の高いGⅠでの実績
レクレドール型…???
 
 札幌記念が、劣化GⅠとして働く年は、2着にGⅠ実績型を置く。スーパーGⅡ戦として働く年は、???の
馬を置く。そのような図式が成立しているのではないか?と私は考えている。ちなみに、2着にGⅠ実績型が
来た時は、その馬は秋のGⅠで狙える可能性を想定しておくべきだろう。万馬券決着年の2着馬であった
アグネスアークですら起用されたので…
 
 さて、今年の出走馬を見ると…「前年」春天馬とダービー馬が5枠に同居しているのが目に付く。しかし、
過去1年以内のGⅠ馬が見当たらない。GⅠ実績型は皆、過去1年以内に勝利しているのだが…2着歴を
2頭(Mキッツ、Hダムール)置いているのは新型か、囮か。
 
 そして1番人気に推されているのはアーネストリー。彼の戦歴で見るべきなのは「宝塚記念3着歴」。これを
是とするか、否とするかで答えは変わる。でも1番人気である以上は、じっくり考えるべきだろう。これがもし
4着歴なら迷わず…なのだけど。
 
 そこで双子・阪神カップと共通の要素から考えてみる。これはかなり重要だと思っている。
札幌記念…GⅠ宝塚記念終了後、「最初に」行われるGⅡ
阪神カップ…GⅠマイルCS終了後、「最初に」行われるGⅡ
 
 昨年の阪神カップ覇者は、マイルCSのTRであるスワンSを勝利しながら「何故か」マイルCSを回避した
(外)Kキセキが勝ち、そのまま…だった。そう、今年、Kキセキと同じく1番人気に推され、前々走でGⅡを
勝っているのがアーネストリーなのだ。故に熟考すべきである。
 
 (外)⇔無冠、正規開催GⅡ勝ち⇔代替開催GⅡ勝ち、GⅠ回避⇔GⅠ3着、これらの対照性を考慮し、
彼の取り捨てを決めたい。そして、彼を頭にして買うなら2着には???型の馬を探してみては。GⅠ実績型が
相手ではないと思う。逆にGⅠ実績型から買うなら、相手は②のようなしょぼい馬を。
 
 最後に。この双子競走の最終的な狙いは…「何年後かのGⅠ昇格」。これしかないと思うのだけど。