私が三ツ沢でいつも着ているユニは2004年の背番号15だ。
胸にはakiraさんがくれたスコットランド国旗がプリントされている。
15番の入ったタオルマフラーも持っている。
いつも座っているバクスタの席に向かって彼、スティーブンは試合前のアップで走ってくる。
その彼に必ず「スティーブ~ン!」と声をかける私。
ニッコリ笑ってくれる彼の姿を見るのが楽しみだった。
試合では、ゴール前で絶対的に制空権を握る彼に何度、ピンチから救われただろう。
点が取れずに苦しい試合で、何度ゴールを決めてくれただろう。
DFラインに大声で「アブナーイ!」と指示を送る彼にスタンドからは暖かな微笑がもれた。
最後まであきらめずに体を張る姿には頭の下がる思いだった。
そして、ついに彼が横浜を去るときが来た。いつかは来ることと覚悟はしていたが
チームが好調な今年、一番頼りにしている彼に去られるのは戦力的に痛い。
そして、それ以上に心が痛い。
彼は2年半の間、横浜FCを支えた、まぎれもなく大黒柱の一人だった。
母国に帰る彼に我々ができること、彼が一番喜んでくれるはずのこと、
それはやはり「J1昇格」の知らせしかないだろう。
残り何試合、彼の姿を見られるのかわからないが、精一杯応援して、その勇姿を
目に焼き付けておこうと思う。