横浜FCと競馬を愛する男の日記

横浜FC、GWは連勝したい

【第三回】我欲

 あさっては統一地方選挙。表題の台詞は、ご存知のように現職の都知事が使った言葉だ。
 
 日本人が我欲にまみれている、という部分については、自分も近い意見を持っているので特に言うことは
ない。ただ、同じ日本でも最も我欲をむき出しにしているのは首都圏の人間(自分もそこにいるのだが)
なのではないだろうか。電力事情ひとつをとってもその構図は見える。
 
 東京電力管内で、最も大量の電力を消費する首都圏には原発はない。本来、東北電力管内の福島に
あれだけの原発があるのだが、その電気を使ってきたのは他ならぬ我々だ。原発に伴う様々なリスクを
そういった人は負わず、電気を使っていない人々が負っているのだ。種々のお金と引き換えに。
 
 「日本の原子力技術はとても高いし、管理も十分できるから東京湾原発を作ってもいい」と発言したのが
現職都知事なのだが、残念ながら首都圏の人間は誰もそんなことは思っていない。だから、多額のお金で
福島や茨城に原発を置かせてもらった。金払っているからいいだろ、が今までの考え方だったのではないか。
 
 日本は代替の方法(火力、風力、水力など)じゃ足りないから原発やむを得ず、と言う人は結構いる。
しかし、誰もが都市部に原発を置くことは賛成しないのだから本質的には「原発怖い、絶対安全なはずが
ない」と感じていたのだ。そんなシロモノをよそに押し付ける、それこそが「我欲」だ。自分さえよければ
それでよいのだ。
 
 自分が物心ついた時には、既に原発は日本に存在していた。その恩恵を受けていることを知りながら、
成人してからもこのことを真剣に考えてこなかった。今はそれを恥じている。個人的には、地震大国の
日本で原発を続けることには大きな疑問と不安を持っている。阪神淡路、中越、そして今回とわずか
15年程度で3度も巨大地震が起こる国なのだから。
 
 今回の原発事故で、図らずも国民は原子力発電に関する知識を得た。(今までの電力会社では決して
教えてくれないレベルまで)これからは、皆が真剣に考えるべきだ。我欲を完全に捨てるまでは無理でも、
せめて日本全体のことを大事にして。更には世界へこれ以上の迷惑をかけないように。