横浜FCと競馬を愛する男の日記

横浜FC、首位に快勝!

競馬との付き合い方を決める

西澤氏は予想していたよりもはるかに若かった。
私より7、8歳上くらいに見えた。
緊張しているようではあったが、はきはきとしていて聞き取りやすい話し方に好感を持った。

天皇賞秋についての説明、解説が続く。私には全てが新鮮で勉強になる内容ばかりで
メモを取るのに必死だった。そして一瞬の間をおいた後、西澤氏は一言、断言した。

「私はヤマニンゼファーを本命にします。」

これが私にとっての第三の衝撃だった。こんなにキッパリと馬の名前を出すとは思って
いなかったからだ。そして西澤氏の解説を聞くと、はっきりとは言わないが1枠が相手で
それも天皇賞ライスシャワーではない、セキテイリュウオーなのだとほのめかしていた。

私はこの予想を聞き、興奮した。本当にこれで決まるのならば「競馬はオペレートされている」という
説を信じざるを得ない。理屈で納得してはいたが、現実の結果で見せられれば反論の余地など
もうないからである。

私は友人、親戚にもこの馬券を薦め、結果として非常に感謝された。自分自身も多額の利益を
得て満足だった。ただ、実際に結果を手にしてみると、とんでもなく怖い世界なのではないか、
という気持ちが湧き上がってきた。

その後も西澤氏の講演会は続いていたようである。(天皇賞秋の参加者のみに告知されていた)
私もトウカイテイオー勝利の有馬記念は参加し、またしても多額の利益を獲得することができた。
そして、私の競馬との付き合い方を真剣に考える機会がやってきた。

勉強会のメンバー(生徒)にならないか、というお誘いが来たのである。参加費用は高額なもので
あったが今までの実績、稼がせてもらった金額からすれば大したことはなかった。
私は結果として断った(何と、西澤氏が直接TELをくれたのである!)のだが、
その理由は…

勉強会のメンバーになった時点で自分には競馬以外の全てが見えなくなる、と確信したからだ。
競馬学を学び、利益を得るということはとんでもなく楽しく、やりがいがあることだろう。
が、その反面として自分の仕事、家族、友人を失ってしまう。
のめりこみすぎて、後戻りが出来ない状態になってしまう。自分にコントロールするだけの
精神力は無い。そう考えたのである。

そして私は愛読者に戻った。その後も数度、一般講演会には参加した。連載の内容は徐々に
高度なものになっていったが、私に全てを理解するだけの勉強時間はもう取れなかった。
仕事など他に割く時間が必要だったからである。

しかし今でも、自分なりに研究は続けている。時間が無いので毎週のレース全てに取り組む
ことはできないが的を絞ってやることで、それなりの戦果も上がっている。
勉強会の生徒さん達から見れば大したこと無いのかもしれないが、私にとってはこのスタイルが
合っている。

「今までとは違った景色を見る」ことを教えてくれた西澤氏には本当に感謝している。
今でも心の師である。
自分なりのつたないやり方ではあるが、今後このブログで競馬について書いていこうと思う。