横浜FCと競馬を愛する男の日記

横浜FC、首位に快勝!

サッカーとは直接の関係はないかも、だが

 「足るを知る」という言葉がある。
老子という昔の人の言葉であるが、私はこの言葉を昔、勤務していた会社の教育で教わった。
そこでは、こう解説された。

「足るを知る」という仏教の教えがある。人間の欲望にはきりがない。だから、その欲望を満たすことを考えても意味はない。現在の姿をあるがままに受け入れ、それを素直に感謝する。「これでもう十分じゃないか」「もうこれくらいでいいではないか」と欲望の肥大化を自ら否定する。こうして「足るを知る」なかに本当の幸福があるという教えである。

 違和感を感じた。私企業が教育に使うには、余りにも整合性がないからである。企業は基本的に
「永遠の成長」を追い求め、きりのない欲望を満たそうとする集団である。そんな集団は絶対に
「もうこれくらいで」なんてことは考えないのだ。
 結局これは、この企業が社員に「あまり欲張るな、今の待遇で十分だろ」と言って聞かせるための
方便に過ぎなかった。そしてそれ以来、私はこの言葉を疑うようになっていた。

 しかし先日、この認識を変えてくれる意見に出会った。英文学者・加島祥三氏の言葉だ。
彼は、足るを知るの意味をこう解説していた。

「今のままの自分でいいとまず認めて、その上で、その自分がやりたいことを存分にやるって
いうことなんだ。」

 これこそ、老子が言いたかった本意なのだろう。バカ私企業の方便とは雲泥の差だ。
そしてこの言葉は一転して、私の中では座右の銘?に近いレベルまで格上げとなった。

 横浜FCにも、この言葉の「本意」を贈りたい。
今の自分を否定するな、それでいい。そして自分たちのサッカーを貫いた先に、自分自身の成長と
「昇格」が待っているはずだ。