ちょっとカテゴリー違いかもしれないが。今さっきまでフジテレビの「スタメン」を見ていた。
最近、「ALWAYS~三丁目の夕日」など昭和30年代はいい時代だった、という意見が多いが、
それは必ずしも当たっていない、というのだ。約50年前との比較論である。
街頭インタビューで50代、60代の人にインタビューをすると現代に比べて「治安が良かった」、
「貧富の差が小さかった」、「教育がしっかりしていた」という意見が圧倒的多数だったのだ。
しかし…
実際のデータは、全く逆だった。少年犯罪での検挙人数も、富裕層と貧困層との所得差倍率も、
昭和30年代のほうが大きかったのだ。教育も、当時は「戦前よりこどもの道徳心が低下している」と
言われ、学校教育の時間割に「道徳の時間」の導入を検討し始めてたのだそうだ。政治も、選挙での
贈収賄が余りにも酷く、その結果、公職選挙法は今まで60回以上も改正したのだとか。
つまり、「昔は”全てが”良かった」というのは勘違いで、自分の青春時代を肯定することで、自分
自身を癒し、それを自分自身の肯定につなげる(=自分の人生は間違っていなかった)という願望の
発露であるというのだ。なるほど、いい思い出しか思い出せない(思い出さない)ことがそれを裏づけ
しているような気がする。
で、「今時の若い者は…」もこれと同じ理由。現代を否定する=昔の時代を肯定するということだ。
今時の若い者の、悪い面だけをクローズアップしているに過ぎないのだ。
しかし、よっしーさんの住む米国でも1960年代は「黄金期」と見ているようで、こういったことは
万国共通なのだろう。決して、スタメンが言ったような「日本人は過去を美化したがる」のではないと
思う。
確かに、高度経済成長を始めた昭和30年代が「いい思い出」として50、60代の人たちに認識
される気持ちも、わからないでもない。しかしそれは、全てが良かったわけではないだろう。経済成長の
反対側で、色々なものも失ってきたはずである。そこには未だ、触れたがらない人も多かろう。
また、「現代は住みにくいねえ…」と文句を言うのであれば、今の社会を構築してきた中心世代である
50、60代の責任は一番大きいのではないか?と爆笑問題の太田が言ってたが、現代を嘆くことは、
自分達のやってきたことを全否定することにつながりかねない。私もそう思う。
昔を懐かしむのはいい。人間、時にはそういう「癒し」も必要だと思うからだ。しかし、現代の
悪いところだけを取り上げて、一方的に批判するのは辞めて欲しい。見苦しいだけである。現代の
若者にだって、社会にだって、いいところもあるのだから。
で。近々の話だが今年の12月になって「横浜FC、去年は良かったよなあ…」とは言いたくない。
だから、J1で結果を残せるように皆で努力しましょうね(笑)