3度目のJ1残留を賭けた戦いは、三度敗れ降格。1年間楽しめたシーズン
だったが同時に、「3度目なのに・・・」と何度も思わされた。振り返ってみる。
(1)ご乱心
新社長が就任しJ1での手腕が注目されたが、その方針は余りにも斜め上だった。
ゴール裏の改革と称した「改悪」。服の色を制限し、応援旗などに厳しい検閲を
行うという、某国のような思想には呆れた。結果、大事な開幕戦のゴール裏には
応援旗なし。新応援団?とやらを公募したが集まらず。そりゃそうだろう。
思えば、今年のつまづきはここから始まっていた。こんな開幕戦をやっているような
クラブに、サッカーの神様は微笑まない。結果、社長は半年で交代となった。
大きな失態で、他クラブからも笑われた事実を忘れてはならない。
(2)ご乱心パートⅡ
GMが連れてきたコーチによる新戦術を導入。J2で2位となった戦術を捨てて、
ゼロからのスタートとなった。その結果はリーグ戦10戦未勝利+カップ戦4連敗。
さぞ、クラブ幹部達は青ざめただろう。新戦術を諦め、守備重視に舵を切った。
その後の勝ち点奪取ペースを見ると、戦術を変更していなければ、残留の可能性は
十分にあった。これまた大失態で、シーズン終了直後にGMの退任が発表されたのも
当然と思う。前社長とGMの責任は重い。
(3)新戦力と主力離脱
J1では実績のない選手中心の補強となった。これはひとつの考え方としては「アリ」
と思う。フィットしなかった選手も多くいたが、井上、ボニフェイス、吉野は十分な
活躍。大卒も林の台頭は大きなサプライズで、地味ながらチームを救ったと思う。
一方で、主将ガブリエウは無念の負傷で、1年間を棒に振った。これが最大の誤算で
彼がいれば、これまた残留できたかもしれない。また、小川航、サウロミネイロ、
長谷川といった昨年の主力が夏にチームを去った。新戦力の補強もなく、チームは
弱体化。これも降格の遠因といえるだろう。
(4)私的選手評価ランキング
1位ユーリララ:彼がいなければ、守備的戦術も機能しなかっただろう。それだけの
パフォーマンスを安定して見せ続けた。守備的ボランチとしての能力はJ1級。
もう1年はいてくれるよね?
2位山下:カウンター戦術に変更してからは、攻撃の要となった。彼のおかげで
勝ち点をどれだけ取れたかを考えると、価値は大きい。J1チームからの引き抜きが
あっても、やむを得まい。
3位林:ルーキーイヤーだったことを加味すれば、素晴らしいプレーだったと思う。
特に粘り強い守備は印象に残る。まだポジショニングに甘いところが散見されるが、
伸びしろは十分。来季の活躍を期待したい。
(5)総評
今年はフロントの大失態が降格の原因、と断言していい。開幕前からのゴタゴタ、
通用しなかった新戦術導入、夏の戦力ダウン。全てフロントがもたらしたことだ。
選手は皆、できる限りのことはやっていた。横浜FCがJ1に定着するために
必要なのは、「フロントがJ1レベルになること」。これに尽きる。
今年は降格1チームなので、例年以上の草刈場になることは必至。主力選手が
何名移籍するか?は不安一杯だが、降格してしまったのだから仕方ない。来季は
どういう方針で戦うのか。ここでもフロントの能力が問われる。もうクラメンも
年チケも更新した身、覚悟はできていますよ(笑)横浜、ヤレ!!