横浜FCと競馬を愛する男の日記

横浜FC、GWは連勝したい

明日は甲府戦

 いよいよ今年のリーグ戦も終わりがやってきた。最終戦は聖地・三ツ沢に甲府を迎え撃つ。既に
来期への人事が始まった横浜、勝敗自体には意味が無い。けれど、最後は勝って、去り行く仲間達を送り
出したい。せめてもの餞として。

 思えば、今年の横浜は「転落」の1年だった。06年の栄光、07年のJ1バブルとその崩壊。残った
のは「コアな顧客」ではなく「借金」だった。そして今年、J1に定着できるクラブを目標に掲げて
再出発したのだが、ここへ来て目の前にあるのは「二桁順位」、「複数年契約監督の解任」、「主力
選手の放出」だ。

 率直に言ってしまえば、今の横浜には「J1」を語る資格が無い。お金も無いが、それ以上に大事な
「コアな観客=サポ」が増えていない。スポンサーも、観客の来ないクラブにはつきたがらないだろう。
つまり、「負の連鎖」を断ち切るだけの力が今のクラブにはない。

 今はまだいい。「降格」がないからだ。しかし数年後には、この「恐怖=J3創設と降格制度導入」が
現実となるかもしれないのだ。とするならば、横浜に許される猶予は実はそんなに長くはない。J3への
降格は、それこそ「クラブの存続」にかかわる危機であるのだが、現フロント陣はどこまで、その
「危機意識」を持っているのだろうか。

 自分は、過去に稀なる成功をしたクラブを見たことがある。そう、お隣の川崎Fだ。この成功事例を
知る人は多いだろうが、実際に「どん底の川崎F」を見に行った人は少ないと思う。(勿論、横浜戦は
別だけど)
 自宅から最も近い競技場であることもあり、私は等々力に結構行っていた。そして「三千人台」しか
観客のいない川崎Fの試合も何度と無く体験した。今思い出せば、当時の川崎Fは、今の横浜と似た
部分が多かった。勿論、彼らのほうが横浜より順位は上だったが、とにかく観客席が寂しかった。

 当時の川崎Fは外国人の強化方針も定まっていなかった。失敗も多かったと記憶している。けれど、
横浜とは違った。それは「過去の失敗を未来に生かす」ことができていたからだ。それは今の川崎Fを
見ればわかるだろう。外国人の強化方針には、全くブレがないからだ。

 観客をどうやって増やすか、もそうだ。川崎Fは地元密着型を目指して地道な努力を続けた。それは
自分が今住んでいる周辺にもポスターが沢山貼られていることでわかる。地味なお店や、目立たない
通りにまで足を運んだ姿を容易に想像することができるのだ。

 さて、戻って我が横浜。現フロント陣はどんな「戦略」を持っているのだろうか?何も川崎Fと同じ
ことをやれとは言わない。地域に合ったそれぞれのやり方があるはずだ。しかし残念なのは何年たっても
一向にその「戦略」が見えない、もっと言ってしまえば「戦術」すらできてないように見えることだ。

 川崎は今でこそ2万人くらい普通に集めるクラブだが、そうなるまでには長い年月をかけている。
今の横浜に、いや正確に言えば「フロント」にその根気があるだろうか?それ以前に、そもそもサッカー
クラブ経営に携わることになった段階で、その長い年月をかける覚悟があっただろうか?

 「ローマは一日にして成らず」は有名な言葉だが、サッカークラブも同じ。浦和も川崎も、皆、苦しい
局面を乗り越えて今の姿がある。バルセロナなんか100年だぜ!今のフロント陣に対する不満は、方々
から聞こえてくるが、私が最も不満なのがこの部分。とにかく「腰が据わっていない」のだ。

 ちょちょっと手を出して、うまくいけば万々歳、うまくいかなかったらガラガラポンをやって、やり
散らかす。最後には飽きて放り投げる。もし、こんな「こどもの遊び」みたいなことを考えているのなら
今年が、「CHANGE」のラストチャンスだ。腰を据え、覚悟を決めて経営にあたって欲しい。

 困難にぶつかっていく気持ちが無いのならば、早めに手を引くことをお勧めするよ。