W杯決勝はスペインが1-0でオランダを破り初優勝。新しい歴史を切り開いた。ここ数年の欧州サッカーは
バルセロナ中心で動いてきたが、W杯もその流れを踏襲したといえようか。
W杯は代表サッカーなので活動期間が短く、しかも短期決戦なのでどうしても守備をベースにする傾向だし、
連携を磨く時間が無いためにスペクタクルな攻撃が少ない(カウンターは別だが)。しかし、今大会のスペインは
ポゼッションサッカーを標榜し、それを貫いて優勝した。この価値は非常に高い。21世紀のサッカーを楽しい
ものにするためにも、意義が深い優勝だった。
スペインが採った手法は「バルサの選手を中心に据える」というもので、クラブサッカーをそのまま代表に
持ち込むという意味では、今までのW杯にはなかった斬新な戦略だった。チームの中心を担う選手が皆、
バルサの主力なのだから、ポゼッションサッカーの完成度が高いのは当然だった。スペインにはメッシがいない
ので決定力だけは、バルサに見劣りしたがその代わりに守備が堅かった。
「主導権を取る」サッカー。モウリーニョか、クライフか?はサッカーにおける永遠の問題で、恐らくそこには
絶対の正解は無い。チーム事情によって、どちらかを選ぶということになるのだろう。
スペインだって、長年熟成してきたバルサのサッカーあってこその頂点だったわけで、何の背景も持たない
横浜FCにとっては、岸野さんのサッカーがすぐに完成するはずも無い。「昇格最優先」とするには、難度の
高いサッカーに挑んでいるわけで、昇格するだけなら06年の堅守速攻のほうが可能性は高かったのかも
しれない。
しかし、我がクラブはその戦い方を捨てた。少なくとも私はそう解釈している。ならば今のサッカーは、少々の
ことでは捨てないで欲しい。恐らく、相当な苦難が待っていると思うけど、それでも続けていって欲しい。