横浜FCと競馬を愛する男の日記

横浜FC、GWは連勝したい

サッカーは将棋に似たり【その2】

 ブラジルW杯では、前回優勝国スペインが意外な敗退。ポゼッション戦術を掲げ、ここしばらくは無敵艦隊
だったチームに何があったのか?横浜FCも監督がポゼッション志向なので、少し考えてみたい。この戦術を
使うチームに必要なのは「遅い攻め=遅攻」の技術だと思う。そこで、将棋のある戦法が頭に浮かんだ。
 
 プロの将棋では先手が攻め、後手が受ける展開が多いのだが、基本的な先手戦法に共通するのが、
「角道を先に止めない」こと。角の睨みが相手陣を直射し、後手に速攻を仕掛けやすい状況を作っている。
ところが、例外がある。「将棋の純文学」と呼ばれる矢倉戦法(以下、矢倉と呼ぶ)だ。
 
 矢倉において現在の定跡では、なんと5手目に角道を止めてしまうのだ。つまり「速攻はしませんよ」と宣言
しているようなもの。実際、後手が速攻を仕掛ける後手急戦矢倉定跡もある。しかし、後手で1手遅いためか、
なかなかうまくいかず、現状、後手有利とはいえない。先手の「後手速攻を防ぐ陣形作り」も発達している。
 
 つまり、矢倉においては先手の遅攻を後手が全力で受ける、というのが基本定跡になっている。先手はゆっくり
攻めの陣形を作れるので、戦力を目一杯使うことができる。反面、後手もゆっくり受けの陣形を作れるので、
専守防衛の布陣が引ける。要は全面戦争だ。これって、サッカーにおける遅攻の状況に似ていませんか?
 
 で、ここからが本題。矢倉における先手の攻めは、一言で言うと「緻密」。これは他の戦法にはないものだ。
将棋では戦力は同一だから、専守防衛の布陣を破るのはとても難しい。ゆえに、攻めるほうも細心の注意を
払って、ギリギリの仕掛けを敢行する。その手順も複雑で、難解だが面白い。ゆえに純文学(笑)である。
 
 サッカーも同じ。ガッチリとブロックを作った相手を崩すには、緻密な攻めが必要。精度を欠いたプレーでは
突破できない。つまり、ポゼッション志向のチームは、相手ゴール付近で相応の戦力を割き、正確で複雑な
プレーをせねば、得点を量産できない。バルセロナのように(笑)は、なかなかJ2では、ハードルが高い。
今の横浜FCでは、まだまだ・・・の感。
 
 もっと簡単にバスケットボールの遅攻で考えれば、得点パターンは、
①3ポイントシュート=サッカーではミドルシュート
②ゴール下へ侵入(ドリブル、パスワーク)しシュートかファウルを貰う=サッカーも同じか
③センターのポストプレイ=サッカーでは長身選手のヘディングシュート
④リバウンドを拾って押し込む=サッカーではシュートのこぼれ球
 
 などが挙げられるが、今の横浜は・・・①はミドル打たない、②は正にハードルが高い、③はソンホに期待、
④はシュートが少ない、といった状況。特に②は監督の志向するところだろうが、現状では厳しい。やはり、
残り3つで、とりあえずは得点を増やしたいものだ。